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改まった問に功助もトキも深く頷いた。

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ほら行くぞ総司。」

永倉が丁寧に頭を下げ,総司を引きずって店を出た。

功助もトキも店の外まで出て不安げに三人の背中を見つめた。

「…で総司。女将と旦那は嘘ついてるのか?」

しばらく歩いた所で永倉が切り出した。

「いえ…嘘はついてないと思います…。」

ただ土方が納得するとは到底思えなくて,不安だけが蔓延った。三津への接触を妨げられ,おまけに部屋の中で監視するかのように山南がいる事で土方の苛々は爆発寸前だった。

近藤にも今日は様子を見ようと言われてしまった。局長命令なら仕方がない。

『いや…様子を見ようと提案されただけであって命令ではない…。』

土方は徐ろに立ち上がった。

「どこへ?」

「厠だ。」

山南の疑念を抱いた表情を一瞥して部屋を出た。【生髮】激光生髮儀如何使用?真的有效嗎? @ 香港脫髮研社 :: 痞客邦 ::

勿論そんなの嘘だ。

蔵へ行くと隊士達が入れ替わり立ち代り三津の様子を見に来ていた。

「何こんな所で油売ってやがる。」

眉間に深い深い皺を刻み低い声を響かせれば,誰一人として動けない。

錠を開けて中に踏み込んだ。三津は隅の方で膝を抱えていた。

蔵の床を踏む音に三津の頭が持ち上げられた。すでに弱りきった目が土方を映した。

「話そうぜ三津。」

三津の前にしゃがみ込むと頭を鷲掴みにして顔を寄せた。

手を伝って小刻みに震えてるのが分かった。

「吉田とはいつから知り合いだ。」

真っ直ぐに三津の目を見た。目を逸らさないように,顔を背けないように,しっかりと頭を押さえつけた。

「去年の…夏くらい…。いつの間にかお客さんで来てはった…。嘘ちゃう…。

暑気中りで寝込んで…元気になってお店出たらもう他のお客さんとも馴染んでたもん…。」

黒い瞳が揺れながらも土方をしっかりと見る。

語る声は震えるがしっかりと言葉にする。

「店に来る吉田の様子は。」

「いつも…表の長椅子に座ってみたらし団子食べてた…。それしか頼まへん…。食べたらすぐに帰りはる…。」

土方には幾度となく睨まれ怒鳴られ拳骨を見舞われたが,こんなに殺意に満ちた目で見られた事はない。

怖くて目が潤みはじめて口はへの字に曲がりだした。

だけどここで怯んではいけない。それに吉田との出会いに関しては嘘偽りはない。

瞬きもせずに目の奥を覗き込んでくる。その鋭さで心の中まで見られてしまうのではないか。

食いしばる歯がかたかたと鳴る。

「じゃああの芝居小屋……アイツと行ったのか。」

そう聞かれて瞳があからさまな動揺を示した。

「誰と行った。言え。」

鷲掴みにした手に力が入る。せっかく切り抜けてきたのにこんな所で問いつめられるなんて…。

「吉田さんとは別の人です…。」

流石に目を合わせていられなくなった。

「だから何処の誰だって聞いてんだよ。」 

鷲掴みにしていた手が今度は顎にかかった。正面を向くように固定された。

「名前も…何も知らん人…。困ってたとこを助けたら…お礼に誘われただけです…。」

苦しい言い訳なのは分かってる。それでも桂の事は絶対に口にしないと決意している。何があっても。

「嘘つくならもっとまともな嘘つきやがれ。」

土方は三津の胸ぐらを掴むと隊士に用意させた水がたっぷり入った桶の前まで引きずった。

「白状させてやるよ。」

土方は三津の後頭部を掴んで桶に頭を突っ込ませた。

突然の事で三津は思い切り水を飲み,苦しさから桶を叩いて暴れた。

しばらく押さえつけてから衣紋を掴んで引き上げた。